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緑間のバスケ【黒子のバスケ】

第18章 口実になるだろう





「これ、監督からなのだよ」



『わざわざありがとう』



手渡された封筒の中には英語のプリントが何枚か入っていた。


さて、会いたかった真ちゃんが来てくれた訳だが何を話せば良いのか少し悩む。それは真ちゃんも同じなのか、私の部屋に入ってからもそわそわ落ち着かない様子だ。



「オイ、」 『あの、』



何か話さなければと思い重たい口を開いてみると、隣の幼なじみ兼想い人も同時に口を開けていた。


レディーファーストだから先に話せ、とこういうときだけ女の子扱いしてくる真ちゃんをジーっと睨む。


私が床に座ると、気を遣ってか真ちゃんは離れたベットに腰掛けた。



『明日からはちゃんと行くよ、学校』



「おう、高尾も心配していたのだよ」



『・・・・・。』



「・・・・・。」




真ちゃんと話したいことは沢山あった。
私の洛山行きのこと、赤司の感触がまだ消えないこと、赤司が夢にまででてくること、中学の件がフラッシュバックしてしまうこと、そんな不安や恐怖から逃げられないこと、それから・・・・・それから、真ちゃんが好きだということ。


それなのにいざ真ちゃんを目の前にすると、情けないことに何も言えなくなってしまった。


沈黙が続き、痺れを切らした真ちゃんが立ち上がる。



「・・・また明日な。」



『・・・うん、』



本当にこれでいいの?


自分の心に問いかける。この1週間、不安や恐怖に心が支配される度に何度も何度も真ちゃんのことを考えては、気持ちを持ち直していた。そのおかげで真ちゃんへの想いが一層強まったのは自分自身が1番よく分かっている。


言うなら今しかない。



『・・・待って、』

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