第2章 あたりまえなのだよ
チャリアカーで高尾に家まで送ってもらい(言うまでもないが、ジャンケンはオレが勝ち続けた)玄関を開けると、やはりそこには少し小さなローファーがあった。
「オレの部屋で何をしている?」
敢えて大きくため息を吐くと、花子は視線をずらす訳でもなく、マンガ読んでる、と素っ気なく答えた。
「そういうことを聞いてるのではないのだよ!」
『じゃーなに?』
「なぜ高尾と来なかった?」
オレのベットで寝そべる花子から離れたところに腰をおろした。花子は読んでいた、進撃の小人を閉じてベットに座り直した。
『真ちゃんが先に行ったあと、なんか急に高尾と2人になったの耐えられなくて、』
帰っちゃった、ごめん。と花子は笑った。
いくらオレでもそれが作られた笑顔だということにはすぐに分かった。だか、こういうときどうすれば良いのかオレには分からない。
幼なじみとは、とても厄介な肩書きだ。
『黄瀬くんと黒子くん、どっちが勝った?』
「黒子が勝った。」
『へぇ、誠凛って強いんだね。』
どうだかな、オレが答えると再び花子は進撃の小人を読み始めた。