第18章 口実になるだろう
『んっ・・・いやぁっ・・・はぁん』
「いやと言う割には厭らしい声が漏れているじゃないか」
『あか・・・しっ、んっ・・・はあっ』
「花子、すごく可愛いよ」
前回同様、私の両手は赤司の左手によって頭上で拘束され、反対のそれで私の胸を激しく揉みしだく。
『んっ、はぁんっ・・・っはぁ、』
気持ち良くなんか・・・あれ?
何かがおかしい。背中がゾクゾクとして身体が疼く。これが気持ちいいということなのだろうか。
赤司にこんなことされて気持ちいいだなんて認めたくなどないが、どうにもこうにも口から漏れる声が我慢できないのだ。
『いやんっ・・・あんっ・・・はぁんっ、』
いつの間にか露わになった胸のつぼみを赤司が口に含んだ時今までとは比べものにならないくらいの刺激が私に襲いかかり、身体がビクンと反応した。
その反応を見逃さなかった赤司は満足気に笑いながら、私を見下ろす。
「花子は胸が弱いようだね」
『いや、こ、これはっ・・・ちがっ・・うのっ』
何が違うの?教えてくれよ。
赤司はそのまま私の胸を舐めたり、時折角度を変えながら強引にキスをしたり、首すじを吸い上げたりを何度も繰り返す。
もちろんそのどれもが嫌なはずなのに、こんな声が漏れてしまう私はきっととんだ変態なのかもしれない。
『お願いだから、やめてっ!』
かなり大きな声で叫んだときだった。
『・・・・・また夢・・・・・か。』
先程まで私の身体を弄んでいた赤司の姿はなく安心したと同時に、自分の変態ぶりに呆れて大きなため息が漏れる。
そしてこんな夢を赤司と会った日から1週間毎日のように見ていると流石に気も滅入るし忘れたい赤司の感触も忘れることができない。
そう、首すじの痕は消えたというのに、赤司の感触だけがなかなか身体から消えてくれないのだ。
それに加え、思い出したくない過去までフラッシュバックしてくる始末。
私は目を閉じて唇を少し強めに噛み締める。そして彼を想う、大好きな彼を。
『・・・・・真ちゃん、』