第15章 洛山に来い
『んっ・・・あか、し、・・・いやっ』
何度抵抗しても男の人の力にはかなわないし、赤司も辞めてはくれなかった。
赤司の右手で私の両手首を拘束している部分が、ジンジンと痛む。
手持ち無沙汰な赤司の左手が器用に制服のリボンを解き、服の中に強引に入ってくる。
『ねぇ、いや。・・・やめてってばっ!!』
「それで拒んでるつもりなのかい?本気で嫌なら、もっと全力で僕を拒め」
赤司は冷たく私を見下ろす。
私の知っている大好きで大切な赤司はもういないんだと思ったら、悲しくてただただ泣くことしかできなかった。
その後も何度も啄むようなキスで舌を舐め回され、何度も首すじを噛みつくように吸われ、決して大きくはない胸を何度も荒々しく揉みしだかれる。
『ん・・・、いやっ・・・んっ』
「嫌がるわりに、感じてるんだね。全く厭らしい子だね」
『ちが・・・うっ、』
「なにが違う?ならもっと気持ちくしてあげよう」
そう言いもう一度私にキスをして舌を絡めてきたとき、思いっきり赤司の舌を噛んだ。
「痛っ、」
その瞬間拘束されてた腕は解かれ、力いっぱい赤司を押し退けカバンを持って急いで家を出る。
こんなことになるなら会わなきゃ良かった、早く帰らなきゃ、とできる限りの全力で走るが、身体が訛っているのか思うように走れない。
怖くて仕方なかったはずなのに、もっと真ちゃんと高尾が練習しているときに走っておけば良かったとどうでもいいことが頭を巡る。
頬には冷たい感覚がまだあって、服はきっと乱れている。でも今はもうそんなこと気にしていられない。少しでもここから離れたかった。
1つ目の角を曲がろうとしたとき、誰かが私の腕を掴んだ。
「オイ、どうしたのだよ!」
そんな急いで、転ぶぞ、なんて声をかけてきた相手が誰なのかくらい、顔を見なくてもすぐに分かった。
会いたくて会いたくて仕方なかった人の声に心底安心した。
(『・・・・・真ちゃんっ。』)
(「なっ、どうした!」)