第14章 興味ないのだよ
誠凛が文字通り桐皇に大敗してから2週間が過ぎた。
残りの決勝リーグは見に行かなかったが、誠凛が全敗したことは風の便りで知った。最初こそ黒子くんを心配していたが、ウィンターカップ予選に向けて誠凛(ひと)の心配をしている暇はない。
真ちゃんと高尾は今日もまた居残り練習に精を出していた。
「大坪さん!」
「ん?」
「あの・・・、誠凛の7番って誰なんすか?」
高尾は大坪さんに月バスに掲載されている誠凛の記事を見せる。私はその7番を知っている。
「去年誠凛のセンターだったヤツだ。何故か決勝リーグにはいなかったがな」
その理由も私は知っている。
「もしいたらトリプルスコアの大敗などなかっただろう。いや、ウチの負けもあったかもしれん」
「またまた〜」
高尾は全く信じていなそうな口ぶりだが、彼はとても強く大坪さんの言ってる通り誠凛が勝っていたかもしれないと思わせる程だ。
「真ちゃんは知ってる?・・・わけねぇか」
「知っているのだよ。でもコイツのがよく知ってるぞ」
真ちゃんは私の腕を引っ張りそのまま高尾に差し出す。
「で、どんなヤツ?」
『手が大きくて、優しい!』
「そういうこと聞いてんじゃねぇよ」