第13章 あまのじゃく
「忘れたのか、黄瀬。桐皇には桃井もいるのだよ」
あぁ桃っちかー、確かに中学時代何度も助けられたし、ただのマネージャーとは訳が違うことはオレたちが1番よく知っている。
あれ?でも・・・、
「あの子確か、黒子っちのこと好きじゃなかったっスか?むしろ本気出せないんじゃ、」
「そうだったのか?」
『え!知らなかった!!』
今の今まで気付いていなかったのか、びっくりしている2人にオレはびっくりだ。
「毎日アタックしまくりだったじゃないっスか!」
テツくーん、テツくーんって猫なで声でずっと呼んでいたじゃないか。
「あれ見て気付かないとか、」
サルっスか!と言いそうになった言葉たちを飲み込んだ。
実際心底そう思ったが、緑間っちにならまだしも、女の子にサルは酷いととっさに脳が判断した。
というかこの2人。
ここまで鈍感となるとお互いの気持ちに一生気付かなそー。
花子っちが緑間っちをどう思ってるかは、正直よく分からない。だが緑間っちが花子っちのことを好いてるのは、桃っち程ではないが結構わかりやすい。
でもきっと花子っち気付いてないんだろうなーと思ったら緑間っちが少し不憫に思えた。
「まぁだったら尚更桃井は本気でくるだろう」
そして、緑間っちの言っていた通り桃っちは試合に本気で挑んでいた。
その結果、桐皇はリードを許すことなく112-55のダブルスコアで誠凛に勝利した。桐皇に黒子っちのバスケは通用しなかったのだ。
(『しんみりしちゃうね・・・』)
(「なんか悔しいっス・・・」)
(「何故オマエらが落ち込む!」)