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緑間のバスケ【黒子のバスケ】

第13章 あまのじゃく






『ねぇ、私までサングラスいる?』



「いいからつけるのだよ!」



なんとかテストを乗り越え、部活も再開し、今日は決勝リーグの試合を見に来ている。


真ちゃんに無理矢理サングラスをつけられ仕方なくつけてはいるが、制服にサングラスをかけて試合を見る高校生など絶対にいない。



よって私たちは今、逆に相当目立っているはずだ。真ちゃんの変装能力はゼロだということが、今日分かった。


そもそもなぜこんなことになったのかと言うと、それは昨日の居残り練習のときだった。




いつも通り宮地さんにどやされながら練習を終え、真ちゃんと高尾はシュートの練習をしていた。私はモップをかけながらそんな2人を眺める。




「真ちゃんさー、」


「断る!」



オイ、まだ何も言ってねぇじゃん!と高尾は口を尖らせ不満気に話す。ちょっと面白くて私の口角はあがる。



「明日から決勝リーグ始まるからさ、」


「興味ないのだよ」


「えー行こうぜ、真ちゃん!」


「見たくないのだよ」


「お願い!」


「うるさい、だまれ!」



という、まぁいつも通りと言えばいつも通りのやり取りがあった。



しかし興味のないフリをしていた真ちゃんだが、本当のところは気になって気になって仕方ないのだ。そして、冒頭に戻る。



『あまのじゃくにも程があるよね』


「うるさいのだよ」


全く、すぐバレるよ、なんてため息を吐いてみたが、私自身もこのカードはとても気になっていた。なんてったって今日は誠凛と桐皇の試合なのだ。


真ちゃんから話には聞いていたが、実際力が開花したあとの青峰くんの試合を見るのは今日が初めてで、私の中の青峰くんの姿は楽しそうにバスケをしていたあの頃で時間が止まっているのだ。



会場で試合が始まるのを待ちながら、アップしている選手たちに視線を落とす。



しかし端から端までくまなく探しても、青峰くんの姿が見当たらないのだ。



『青峰くん・・・、いないよね?遅刻かな?』


「あぁ、多分な。どこまでも気に食わないヤツなのだよ」



そして無情にも試合がスタートしてしまった。

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