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緑間のバスケ【黒子のバスケ】

第48章 カッコわりぃとこ見せてんじゃねぇぞ







「絶対は“僕”だ。“僕”には先がすべて見えている。それを変えるなど容易いことだ。」



残り3分59秒。
今度は高尾にダブルチームが付く。でも高尾なら・・・そう信じて、オレは跳んだ。



しかしそのボールがオレの手元に届くことはなかった。




「言ったはずだ。絶対は“僕”だと。」




そのボールを手にしていたのは、悔しくも赤司だった。そのあとはペラペラとオレと高尾に対して、止められた理屈を説明するが、正直そんなことは最早どうでも良かった。



「想定は超えていたが、想像は超えていたわけではない。」


「・・・っ、」


「将棋でもバスケでも同じだ。いつも言っていただろ?相手に悟られずに先を見据えてこその布石だ。」




・・・あぁ、そうか。
ここまでの全部。どれもこれもオレたちがしていたことすべて、赤司の手の平の上だったわけだ。



「・・・ふざけるなよっ、」



それは赤司に対して言ったつもりだったが、自分自身にも突き刺さった言葉だった。そうして全力を尽くすが、赤司の宣言通りゲームが終了するまでオレはボールを触れることすら出来なかった。



「眠れ、歴戦の王よ。」



結果は86-70で負けた。
終わってしまった。負けた事実を飲み込むのに時間はかかったし、暫くコート上からオレたちは動くことができなかった。



「全員胸をはれっ!退場するまでだらしない姿を見せるな。」



足元を見ていても分かるその声は、大坪さんで。その一声によって皆が動き出し挨拶をした。途中ベンチで片付ける花子とすれ違ったとき、すまないと小さな声で謝ったが、彼女はこくりと縦に頷くだけだった。


負けたことがただただ悔しくて、赤司との賭けをどうしたらいいのか考える余地はまだ無かった。



「ベスト4かぁ〜。まぁこんなもんっしょ。よくやったよなぁ。あの洛山相手に・・・。」


「・・・。」


「・・・あれ?真ちゃん傷心ヤバい?けど悪ぃ。今はちょっと慰めてやれねぇわ。」



控え室に戻る途中、横を歩く高尾をへと視線をずらせば、汗と混じりながらその目からは沢山の涙が零れていた。高尾だけじゃない。大坪さんも、宮地さんも、木村さんもみんな泣いていた。そしてかくいうオレも皆と同じだった。



(「悔しいな、やはり負けると言うのは。」)



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