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緑間のバスケ【黒子のバスケ】

第48章 カッコわりぃとこ見せてんじゃねぇぞ







「やはりそう来ると思っていたのだよ。」


「来い、真太郎。」


「花子は渡さない。」


「それはどうかな?」



予想通り、オレへのディフェンスは赤司が着いた。こうなることは分かっていた。何度かその眼を同じチームメイトとして見たことはあるが、目の当たりにすると足が竦みそうになった。


そしてたった一歩踏み出した瞬間だった。
オレの手にあったはずのボールは既になく、いつの間にその眼を使った赤司の手の中に移動している。



「抜かすかよっ!」



瞬時に状況を判断した高尾が赤司のディフェンスにつく。



「抜く?そんな必要はない。」


「は?」


「キミがどくんだ。」



高尾が反応した瞬間に赤司はボールを切り返し、これまた予想通りではあるが、高尾は転んでしまった。分かっていても、どうすることもできない、それがエンペラーアイだと強く思い知らされ、それはオレだけじゃなくここにいるみんながそうだった。



「追う者は何人たりとも見下ろすことを許さない、“頭が高いぞ!”」



そうして3Pや速攻で何点かはゴールを決められたが、赤司のエンペラーアイは止まることはなく、シュート体勢はもちろん、パス、ドリブル、あらゆるモーションに入った瞬間にそのボールは全てカットされる。



4Q残り8分38秒49-63で14点まで差が広がっていた。



宮地さんも木村さんもゴール下で転ばされ、オレでさえも一歩も動けなくなる。こんなことは言いたくないけれど、やっぱり赤司のエンペラーアイは強いと認めざるを得なかった。


ベンチに座る花子の方へ視線をずらすと、不安そうな瞳とぶつかる。花子は、制服のポケットの上から強く今日のラッキーアイテムを握りしめていた。



・・・花子のために勝つんだろう?
こんなところでバカみたいに弱気になっている暇などオレにはないはずだ。そう自分に言い聞かせる。



「赤司っ!」


「真太郎。オマエは強い。だが負ける。」


「まだ試合は終わってなどいない。」


「キセキの世代を従えていたのは誰だと思っている?」


「・・・っ、」


「例えオマエたちでも僕に逆らうことなどできはしない。」



そうして意図も簡単に転ばされてしまったオレに対して赤司は涼しい顔をして、シュートを放った。
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