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緑間のバスケ【黒子のバスケ】

第48章 カッコわりぃとこ見せてんじゃねぇぞ







「真ちゃん調子悪くなさそーじゃん。」


「・・・どうかな。赤司はまだ眼を使っていないのだよ。使ってくるとしたら後半からだ。そこからが本当の勝負なのだよ。」



2Qを39-39で終え、以前同点のまま。
控え室に戻り後半戦に向けて準備をする。真ちゃんの言う赤司の眼を実は私もよく知らないのだ。中学のときに対戦経験のある高尾もその眼を使われることなくボロボロに負けたらしく、実態を知る者は真ちゃんだけだった。



「一体どんな眼なんだ、それは。」


「あの眼の前ではすべての動きは先を読まれる。あらゆる技は封殺され、立っていることすら許されない。」


「まさか、そんな立ってられねぇことなんて・・・え、マジで?」



高尾は真ちゃんの真剣な表情(かお)とその声色で、決してウソなんかじゃないと悟ったようで、確認するかのように私に問う。本当かどうか私だって俄に信じ難いが、真ちゃんがそう言うのだからマジなのだろう。


話を振っていた大坪さんや先輩たちでさえも、恐ろしいと思ったのかスポーツドリンクを片手に黙りこくり、真ちゃんの話に耳を傾ける。



「赤司には相手の動きの未来が見える。アンクルブレイク、高い技術を持つ高速ドリブラーが相手の足を崩して転ばせるテクニックなのだよ。」


「NBAの選手だってそんなの見たことねぇぞ。」


「高校生に、ましてや去年まで中学生だったやつにそんなことが可能なのか?」



宮地さんと木村さんに詰め寄られる真ちゃんは、黙ったまま。それが何よりの答えだった。昔から赤司は視野が広かったのは確かで。でもまさかそんなことができるのだろうか。



『洛山の過去の試合で赤司が出てるのは全部チェックしたけど、転ぶなんて・・・』


「その眼を使わなくても勝ててきたってことだろ?思い出すわー真ちゃんたちにボロボロにされたときの試合。」


「エンペラーアイ。あの眼がある限り・・・・・、」



次の言葉を紡ぐことを躊躇った真ちゃんに、控え室の空気が重たく静まりかえる。その沈黙を破ったのは、宮地さんだった。



「笑わせんなよ、マジで。轢くぞ?」


「宮地、ふざけるな。」


「いやむしろやる気満々だね。未来が見える?だとしてもオレたちのやることは決まってる。」


だろ?なんてみんなに笑いかける宮地さんを初めてかっこいいと思った。

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