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緑間のバスケ【黒子のバスケ】

第48章 カッコわりぃとこ見せてんじゃねぇぞ







『・・・・・。』


「・・・・・。」



体育館を後にし、街を抜け薄暗い道を高尾と2人で歩く。コツコツと2人の足音だけが響くだけで、どちらも口を開こうとはしなかった。



・・・疲れた。
私の今の正直な感想はコレで。
灰崎にされたこと、真ちゃんに抱かれたこと、赤司と話して、それから灰崎と話して・・・・。本当のところ、もう少し晴々した気持ちになるかと思ったけれど、今はまだそんな気にはなれなかった。


むしろそれどころか、考えなければならないことが沢山あって、頭の中はパンク寸前。家に帰ったら何もせず寝てしまいたいと思うくらい思考回路はもうめちゃくちゃだった。



そんな中、先に沈黙を破ったのは高尾の方だった。




「なぁ、山田。さ、さっきの話の、つ、続きーなんだけどさ、」



歯切れの悪い話し方で、なんのことか察しはついたが、どんな顔して聞けばいいのから分からず、何となく視線は合わせず。不自然にならないようにと、意識すればするほど不自然になってしまうのはどうしてだろうか。




「オレがその・・・山田のこと好きだってこと。」


『・・・。』


「本当は告(い)うつもりなかったんだ。」


『うん。』


「オマエのこと好きな気持ちはウソじゃねぇよ。ウソじゃねぇけどさ、オレにとってはそれと同じくらい真ちゃんも大切なんだ。」


『・・・・・。』


「だからオマエらの仲を裂きたいとか、そういうのは全くねぇから。」



いつもに増してよく喋る高尾をちらりと見てみるけど、彼はどこか遠くを見ているようで、やっぱり視線がぶつかることは無かった。



こういうときはありがとうで良いのだろうか、と悩んでいるときだった。



『・・っ、いった!!!』



私の頬に急に痛みが走り、思わず上擦った声が零れる。原因は私の頬を高尾が絶妙な力で抓ったからだ。何をするんだ、そう言おうとする前に先に話しだしたのはまた高尾の方で。




「だから、オレもオマエらが別れるの反対だからな。」



『・・・っ、』



「てか、なんで別れる必要あんだよ?」



『た、高尾には関係、』



「だーかーらー、もう関係ないで済ませられねぇつーの。」



ったく、何回言わせんだよ、そう笑う高尾は見たことない顔をしていた。


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