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緑間のバスケ【黒子のバスケ】

第43章 ヘマすんなよ






『こ、困りますっ!!』


「いーじゃん。少しだけさ、」


「お兄さんたちと遊ぼうよ?」


『こ、これから試合があって、』


「高校生だよね?可愛い。何年生?」


「悪いようにはしないからさ。あそこのカラオケなんてどう?」




ウィンターカップ2日目。
人生初のナンパ(?)をされています。


事の発端はさかのぼること1時間前・・・





『キャプテン、どうしましたか?』


「悪い、山田。怪我人が出て救急セットが品薄になってしまったんだが、夕方の試合までに間に合うように買い出しに行ってきてくれないか?」


『え、大丈夫ですか?』



話によれば、試合に向けて体育館の周りでアップをしている最中に選手同士がぶつかってしまいお互いに足首を捻ってしまったようだった。


幸い2軍の選手で、今日試合に支障がなさそうだ。




『ちょうど2駅先に大きなスポーツショップがあるんで、そこに行ってきます。』


「助かる。これがリストだ、宜しく頼むな。」



キャプテンに渡されたメモ用紙を握りしめ、真ちゃんに怒られないようにきちんと携帯もカバンにあるのを確認した。


そして出発する間際、“心配だから一緒に行く”と言った真ちゃんの腕を優しく振りほどいた。




『心配しすぎ。大丈夫だよ、ただ買い物するだけだから。』



と言うも、もちろん真ちゃんは納得してくれず。それでもチームのエースが試合前に抜けるのは許されず、結局私一人で買い出しに行くことになったのだ。



・・・そして冒頭に戻る。
買い出しが終わり駅前に着くと、声をかけてきたのは2人組みのお兄さん。歳は大学生くらいだろうか。失礼だが、その見た目からはチャラチャラしてそうな雰囲気がとても滲み出ていた。


もちろん着いて行ったら危険だと言うこともきちんと理解してお断りしているのだが、一向に私の話を聞いてくれないのだ。




『あの・・、本当に・・・、迷惑です・・・っ。』



強く言わなければと分かっている反面、この状況が少し怖くて唇が震えて上手く言葉が出てこない。そうしてどうにか発せられた言葉さえも唇と同じリズムで震える。


そんな私を見て、“可愛い”と言ったのはどっちのオトコだろうか。そして私の腕を掴むと2人のオトコはニコニコと笑いながら、力強く引張り始めた。


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