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緑間のバスケ【黒子のバスケ】

第7章 殴ってください






試合は誠凛ボールでスタートした。
1本目、黒子くんからの火神くんのアリウープ、それを真ちゃんが阻止した。



流石誠凛、決勝まで勝ち進んできただけはある。オフェンスはもちろん、ディフェンスもなかなか固い。



試合はお互い一歩も譲らないと言ったところだろうか。
約2分もの間、スコアは動くことがなかった。



この均衡を崩した方が、第1Qを制する、私がそう思ったと同時に真ちゃんの3Pが決まった。




『よし、均衡が崩れた!これで流れは、』



その瞬間、ほんの一瞬の出来事だった。



コートの端から端までぶった切るようなパスが、真ちゃんの真横をいとも簡単に抜けていった。そしてそのパスを受け取った火神くんがダンクを決めたのだ。



あっという間過ぎて何が起きたのか、そもそも今のが本当にパスだったのかさえ、私には分からなかった。


そして更に驚いたのは、いつどんな時も涼しそうな顔で試合をしている真ちゃんの顔色が変わったことだ。




「・・・・・黒子。」



「すみません、そう簡単に第1Qを取られると困ります。」



その後も一進一退の攻防戦が続いた。


次に真ちゃんにボールが回ってきたとき、真ちゃんは3Pを打たなかった。いや、打てなかった。




『真ちゃんが封じられてる?』



「あんな緑間封じがあるんだね、ふむ。どうしようかな。」



監督には何か策があるようだった。



「ここだね。おーい、高尾木村。マークチェンジ。高尾11番につけ。」



黒子くんが試合しているところは数回しか見たことないけど、高尾で大丈夫だろうか、少しの不安が頭をよぎった。



だが、私の考えとは裏腹に高尾は黒子くんのパスを見事にカットすることに成功したのだ。




『高尾のホークアイに、黒子くんのミスディレクションは効かない。』




「タイムアウト、誠凛!」



1Q残り3分40秒
11-8で秀徳がリードしている
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