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緑間のバスケ【黒子のバスケ】

第35章 幼なじみをやめたいんだ






「もう花子への嫌がらせはしないと、今オレと緑間の前で誓え。」




どうしたものかと頭を抱える。
聞き込みを重ねてくうちに首謀者が松野先輩であるという真実に一歩一歩近付いた。


もちろん初めから犯人が分かっても花子に言うつもりなど甚だなかったが、花子が憧れ、尊敬し、追いかけている先輩が、嫌がらせの犯人だなんて口が裂けても言えやしない。



一発くらいこの先輩を殴り飛ばしてもバチは当たらないだろう。


殺したいなんて思っていたはずなのに冷静になれば、オトコであるオレがオンナの松野先輩を殴ることもできないのだ。




「2人そろって、そんなに山田が好きなの?」


「話をすり替えるな。まずはオレの話に答えろ。」




・・・とんだ悪女だな。
顔色一つ変えず彼女は堂々としている。大きくため息を吐いてから松野先輩が口を開く。




「赤司さ、同じクラスにモデルの黄瀬いるよね?紹介してよ。」


「オマエいい加減にするのだよっ」



我慢の限界に近い緑間が声を荒らげながら、バンと机を叩くが松野先輩は怖がることなく変わらず続ける。



「赤司、どうする?でも紹介してくれたら、私は嫌がらせ辞めるよ?」


「・・・・・。」


「赤司、こんな駆け引き」


「黄瀬を紹介すれば、花子に嫌がらせはしないのか?」



辞めろと言わんばかりの緑間の言葉を遮るようにオレが松野先輩に問いかければ、彼女は可愛らしく笑うのだった。



「約束は守るわ。」



結局、黄瀬を紹介するという形でこの日の話し合いは終わった。


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