第4章 正々堂々決勝で
「あ?もう1回言ってみろ?」
「運勢が最悪なので、今日は試合に出たくありません。」
「テメェ、なめてんのか緑間。」
『すいませんっ!!』
真ちゃんも謝ってよ、と視線を送るが彼は悪びれもせず、涼しい顔をして立っていた。
すいません、すいません。と私が何度もキャプテンに頭を下げ続け、ひとまず今日の試合はベンチスタートになった。
「準決、決勝は例え運勢がクソだろうとなんだろうと出てもらうからな。」
キャプテンはそう言い残し、ロッカールームから出ていった。
『もう、なんであんな言い方するの?信じられない。』
「他にどう言えばいいのだ?教えて欲しいのだよ。」
『そうじゃなくて、そもそも言う必要ないでしょ?』
全くこの男は、いつからこんなにも偉そうになったんだ。昔はもっと・・・、と考えているとコートに入るぞ!と宮地さんの声が聞こえてきた。
コートに入るなり、ドリンクとタオルの準備をし、キャプテンに改めてもう一度頭を下げ謝った。
「いや、山田が謝る必要は全くないのだが、悪い。あっちで油売ってる2人を回収してこい。」
そう指でさされた方を向くと、真ちゃんと高尾が誠凛の選手、火神大我と何やら話しているようだった。