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緑間のバスケ【黒子のバスケ】

第25章 情けない







赤司のことを思い出して少し身構えてしまった。自分はとんだ臆病者だ。真ちゃんのことは好きだし、真ちゃんが求めるなら受け入れようとも思った。好きにしていいと言ったのも本心だ。


それなのに時折チラつく赤司に支配され、恐怖心が私の中いっぱいに広がっていくのだ。情けない、この一言に尽きる。




抱きしめてくれていた真ちゃんの腕の中は火照っていて、心臓の音がよく聞こえた。


真ちゃんも私と同じで緊張しているのだろうか?


でも男の子って女の子なら誰とでもできるものなんでしょ?・・・赤司だってそうだった。きっと、真ちゃんだって、・・・・・。





「いついつから好きでした、って告白よくあるだろ。オレ、思い出せねぇんだ。オマエのこといつから好きだったか。」



『・・・・・。』



「好きだって伝えて振られるくらいなら、ただの幼なじみを続けてた方がオマエの近くにいれるんじゃないかってずっと思っていたのだよ。」




抱きしめられていて真ちゃんの顔は全く見えないが、時折頭を撫でてくれる大きな手が優しくて気持ち良かった。




「でもどんどんオマエのこと好きになっていって、好きすぎてオマエに触れたいと思うようになった。他の誰かじゃなくて、オマエがいいと思った。」



『・・・・・。』



「自分で何言ってるかわからなくなってきたけど、つまり、オレはオマエだからしたいと思うし、オマエだから大切にしたい。花子、オレはオマエを傷つけたりなど絶対にしない。」




真ちゃんの抱きしめる力が強くなった。
真ちゃんと赤司は違うってちゃんと分かっていた。分かっていたのに・・・バカだなぁ私。




『ごめん、真ちゃん。もう私、本当に大丈夫だよ。』




そう笑うと、真ちゃんは抱きしめていた腕を緩めた。そして見つめあい、どちらともなく口付けを交わした。


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