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緑間のバスケ【黒子のバスケ】

第25章 情けない






結局、気の利いたかっこいいセリフも言えず、欲求不満丸出しのまま花子に問いかける。




『・・・・・。』




目を逸らし黙りこくる花子にもう一度声をかける。




「絶対優しくする。花子が怖くなったら辞める。だから、」



『いいよ。・・・真ちゃんの、好きに・・・して?』




相変わらず頬を赤らめたまんまで、目にはうっすら涙を浮かべて、小刻みに肩を震わせる花子。


怖いくせにオレを悦ばせようとしている姿勢がさらに興奮させる。


据え膳食わぬは男の恥なんてことわざがあるが、今ここで花子の行為を無駄にしないためにもオレは意を決して優しくキスをした。


リップ音だけが部屋に響き渡る。
左手に花子の後頭部を乗せ、触れるだけのキスを続けながら、酸素を求めほんの少し開いた隙間から滑り込むように舌を這わせる。



『んっ、・・・っ、』



花子の身体はまだ少々強ばっていたが、キスをしていくうちにだんだんと甘い声が漏れ始めた。


唇を離し首筋に舌を這わすと、花子は身体を更に強ばらせ、みるみるうちに震え始めた。




「怖い・・・のか?」


『・・・・・。』



目を閉じたまま花子は何も答えなかった。そしてオレはあの日を思い出した。赤司と会っていたあの日、花子の首筋には無数の痕が残っていたのを思い出したのだ。




「悪い、嫌なことを思い出させてしまったか?」



花子は勢いよく首を横に振ったが、それが何よりの答えだった。このまま強引に続けるのは、やはり気が引けてオレは身体を離した。



そして、花子の身体を起こし向かいあって2人で一旦座り直す。ベットの上で正座など、少し絵面はアホらしいがオレも花子も神妙な面持ちで時折視線を交わらせる。



「抱きしめていいか?」


『えっ、う、うん。』




予想外の質問だったのか戸惑いながらの返事を聞いてからオレは花子を抱き寄せた。




「ちょっとオレの話を聞いてくれないか?」


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