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緑間のバスケ【黒子のバスケ】

第23章 まじでデートかよ






『毎年思うけど、よく夏におしるこなんて飲めるね。』



「バカめ。これはつめた〜いなのだよ。」



そういうことではない、と言いたかったが美味しそに飲む真ちゃんを前にそれ以上は何も言えなかった。


お風呂から出たあと自販機に行くから付き合えと、半ば強引に誘われ2人で旅館から少し離れた所まで歩いてきたのだ。


道中は合宿中の試合の話をしたり他愛もない話をした。その大半は火神くんへの不満であった。どうしてそんなに火神くんを毛嫌いするのかはよく分からないが、顔を合わせばすぐ喧嘩越しになる2人には少しばかり呆れる。


喧嘩するほど仲がいい。
2人はそれに当てはまるのじゃないかとも思ったが、そんなことあまのじゃくな真ちゃんが認めるはずもない。ここは黙って話を聞くのが得策だ。


そうこうしているうちに旅館近くの駐車場まで歩いて戻ってきていた。束の間のデート(いや単なる散歩?)を終えてしまうのが少し寂しいなと思ったとき、倒れたリングと寝転ぶ火神くんを発見した。



「む?」


「あ?」


『げっ』



まずい、と思った頃時すでに遅し。
案の定2人は顔を合わせただけでイラついていた。


・・・最悪だ。どうしたものか。
そんなことを考える余裕も与えてくれない程に2人は突っかかり始めた。



「んだよ、オメエら。仲良くデートか?」


『ま、ま、まさか。そんなんじゃないよ・・・散歩。そう散歩してただけだよ』


「まじでデートかよ。」



照れた私に火神くんはオマエ分かりやすすぎと鼻で笑った。



「てか、よく夏にそんなもん飲めんな。」


「つめた〜いに決まってるだろ、バカめ。」


「そういうこっちゃねぇ!」



・・・デジャブだ。
おしるこはあたたか〜いだろうが、つめた〜いだろうが、こんな真夏に飲むものではない。でもそこで正直に言ってしまうあたりが、やはり火神くんであり、2人が揉める要因でもあるのだ。

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