第6章 確証
「しょう! 大丈夫!?」
廉が部屋の前に着くなり、
匂いに気付いたのか腕で嗅がないよう
瞬時に覆った。
「俺は、大丈夫……。でも、岸くんと
勝瀬さんが……」
「優太どこにおるん?
俺こっち見られへんから優太のとこ行く」
「隣の部屋。海人が付いてる」
俺の声を聞いて、廉はすぐさま隣の部屋に
向かっていった。
ただぼうっと立ち尽くしている俺を見て、
蒲田さんは心配そうに背中をさすってくれた。
「紫耀くん平気?」
「……はい。」
「僕と神くんでマリちゃんの
介抱するから、とりあえず下で待ってて。
抑制剤打ってても、
匂いには過敏だと思うから」
その言葉に静かに返事をすると、
神宮寺が俺の肩に手をやった。
「しょう。ここは任せて。
大丈夫だから」
そう、だったらいい。
大丈夫、だったら———……