第6章 確証
神宮寺Side___
身近にオメガの人間を置くことの
リスクは、分かっていたつもりだった。
玄樹はずっと、オメガの性質に
振り回されてきて、それと向き合うしか
方法がなくて、休むしかなかった。
薬を打っても、発情期の先延ばしは
身体に負担がかかるからと、
医者からは推奨されていなかった。
それでも、
みんなとアイドルやってたいからって
今まで、無理して活動してた。
俺は、それを知ってた。
知ってても、何も出来ない。
唯一、オメガの発情フェロモンは
ベータである俺には影響がない。
だから一緒にいることを薦められたし、
俺も一緒にいたかった。
でも、
本人の気持ちに寄り添えるような
大した事は出来ていない。
無理をして。
辛い体質をごまかして。
一体それで、本人は良いんだろうか。