第6章 確証
「マネさん、少し待ってて下さい!
とりあえず岸くんを別の部屋に……」
そう海人が言って、岸くんを
隣の部屋まで連れて行った。
勝瀬さんは、ソファにうつ伏せで
寝転がり、こちらは見ないように
目を伏せていた。
「ごめんなさい………わたし……」
“岸くんのこと、止められなくて”
“みんなに、迷惑かけて”
嗚咽を漏らしながらそう言う勝瀬さんを
俺は呆然と眺めるしか出来なかった。
岸くんの匂いが薄まり、
抑制剤を打っていたおかげで
オメガの匂いは今、身体に影響はない。
……早く、彼女を介抱しないと。
そう思った矢先、廉と神宮寺と
蒲田さんがやってきた。