第6章 確証
熱が匂いとして放たれているのに、
一向に治る気配がない。
オメガの発情はもう、
一度なってしまうと薬かセックスでしか
止まる事がない。
でも、私は——……
こんな形で、何もかもダメになるなんて
絶対に嫌だよ。
せっかく、みんなに受け入れてもらえて、
生活だって楽しくなってきたところなのに。
岸くんだって、ダメだよ。
こんな、
こんなことで………
助けて………誰か……
自分の目から涙が流れているけれど、
私はそれを拭う事が出来ない。
首筋を這う彼の舌に、
ただ、びくつかせる事しか……
その時、
不意に、手首に感じていた
窮屈さが消えた。
——ポタ、、
そして流れる、誰かの血。