第6章 確証
「マリさんって、オメガじゃ
ないですよね……?」
神と、ミラー越しに
映った蒲田さんの表情が曇ったのが
分かった。
「……なんでそう思った?」
「俺、マリさんが体調崩して
しまったとき、車の中で感じたんですよね」
忘れようとしても忘れられない。
そしてそれは、
かつて経験した時のそれと
よく似ていたのだ。
「……あれは、突発的な発情を
したときの、オメガの匂い」
数年前、俺としょうは
突然発情したオメガの
ファンの匂いに当てられた事があった。
その時は、三ヶ月近く
鼻の奥にこびりついた匂いが
消えなかったのだ。
「マリさんって、オメガなんですか?」