第6章 確証
……その瞬間、
私の腕は引かれて、
視界にはあっという間に天井が映る。
手首をぎっちりと強く握られ、
私はソファに縫い付けられたかの
ように押し倒されていた。
「え、え!? ちょ、っと」
私に馬乗りになった彼に、
戸惑いつつ声をかける。
前髪で見えなかった表情が
見えた瞬間に─────
ドクンっ、
……と、心臓が大きく波打った。
「ふーーっ……ふーーっ……」
酷く荒くなった息を整えているのか、
はたまた何かを猛烈に制御しているかの
ような、苦しい顔。
唇を噛みしめている彼の瞳は、
今まで見たことがない色をしている。
「き、し……くん? 何、どうし……」
「──しゃべ、るな」
低く、彼は呟く。