第5章 岸優太の憂鬱
「しょうと海人送ったら、
勝瀬ちゃんと迎えに来るから」
「……え、良いんですか」
「甘えなさいな。マネージャーに」
蒲田さんのどや顔。
俺は反射的に
勝瀬さんに視線を移す。
彼女も得意げに、
親指を立てていた。
「交通費削減ってことで!
ちょっとまだ心配だし、
迎えに来るまで休ませてもらって」
「……すいません、
じゃあそうします……」
このまま家に帰っても良いけど
交通費削減、という言葉に
少し揺さぶられた。
二人がやってくるまでに
この倦怠感がなくなれば
それはそれで良いし……
まあ、
ゆっくりさせてもらおう。