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【KP】~僕らと苦くて甘い日々を~

第5章 岸優太の憂鬱






ヒートが来ないということは
アルファには有り得ないこと。

しょうや廉、海人だって
ふとしたミスで薬を射ち忘れた
オメガの発情に誘発されて、
ヒートが来たことがあった。


……でも俺には、それすら
経験がないんだよな。

だからどう、って今更
この性別をどうにか出来るって
わけではない。



そんなこと分かってるけど、
周りが正常なアルファなだけに
常に気になる。



「……はい! ばっちりだね!」

「ありがとうございます!」


無事にソロパートも撮り終えた。

今日の仕事はこれだけだから
あとは本当に自由だ。




「……なんかでも、ちょっとだけ
身体がだるいな」

「優太、良かったら休んで帰る?
ここうち以外で使うとこないから
楽屋のスペース空いてるよ」

「あ、ほんとっすか?
……じゃあ、甘えようかな」

「おっけ」



蒲田さんの計らいで、
荷物置き場の隣の部屋を
開けてもらうことにした。

今日は蒲田さんも勝瀬さんも
他のメンバーを次の現場まで
送らなければいけなかった。



……撮り終えた安心感からなのか、
ずっしり身体が重くなっている。







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