第4章 疑惑
自分の頑張りなんて、
きっと後回しな人なのだ。
任された仕事だから、
自分できっちりやらないと、
なんて思ってるにちがいない。
勿論、俺だって
他のメンバーだって、
勝瀬さんがマネになって
くれてから、
何だか仕事頑張れる、なんて
話をしていたりしたけど。
その為に、自分の体調の事を
後回しにする人だなんて。
……ちょっと危なっかしい。
「……なぁ、じん」
「ん、なに?」
「今日勝瀬さんの車乗った時、
なんか匂いせんかった?」
「匂い? 俺はなんにも?」
「……そっか」
あれから少し、鼻の奥が
くすぐったくなっていた。
花粉症にでもなったかな。