第4章 疑惑
廉Side___
取材に戻ろうと、神宮寺と
二人で勝瀬さんを待っていた。
だけど、迎えに来てくれたのは
蒲田さんで、俺らはほぼ
同じタイミングで口を開く。
「「勝瀬さんは?」」
俺たちのハモりに、
蒲田さんは吹き出して笑った。
「マリちゃんは大丈夫。
ちょっと体調崩したみたいだから、
俺が代わりに出てきたんだよ」
「やっぱ体調悪かったんや……」
「最近ますます忙しかったからね。
めちゃめちゃ頑張ってくれてたし」
無茶が響いたのかな、と
神宮寺は続ける。
「大丈夫だよ。少し休めば
治るから。俺も、ちょっと
任せ過ぎちゃってたから反省してる」
そう言って眉を下げた蒲田さんは
申し訳なさそうに俺たちに言った。
『ちゃんと休んでるから大丈夫』
彼女の車内での声が、
何故か頭から離れない。