第4章 疑惑
『……、勝瀬さん? どうしたの?
何かあった?』
「……すみません、かまださん……
わたし……」
『どした? 体調悪い?』
私の異変に気付いたのか、
蒲田さんは声色を変えた。
「きてしまって、、あの、」
荒くなった息遣いで、
何とかそれだけ伝えると、
蒲田さんは悟ってくれたのか
すぐに行くからと言って
電話を切った。
なんとか、メールで所在を
送るけれど、
手が震えて上手く打てない。
今をときめくアイドルの
それの匂いは、
オメガの発情を簡単に
誘発させてしまうものなのだと
思い知った。
廉くんにだけは、
気付かれてないと良いけど……