• テキストサイズ

【KP】~僕らと苦くて甘い日々を~

第3章 それぞれの葛藤





そんなふうに笑っていると、
ジリジリと腹の奥が熱くなる。




「……っ、」


久しぶりの熱に、
俺は少し驚いてしまった。



「廉? まさかきた?」

「うん、ごめん。ちょっと
治めてくるわ」



カバンの中から小型の注射器を
取り出すと、早足で
男子トイレへと向かう。

誰にも会わないように、
チラチラと辺りを見回すのが
厄介だった。



「……っ──!」


首の動脈に注射器を刺して、
中の透明な液体を流し込む。

この時の不当な違和感が、
俺は大嫌いだ。




「……っ、はぁ。久々にきたな……」



アルファのヒート。

オメガの発情のような重さは
ないけれど、アルファの人間は
一生付き合っていかなくては
ならないものだ。










/ 95ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp