第2章 名前はキンプリ
「あれ?その人誰?」
高いトーンでそう問われた。
目がクリクリで特徴的。
可愛らしいルックスの子だ。
「新しいマネージャーさん?」
「ええー。俺らもついに
マネージャーさん1人につき
1人体制っすか!?」
どんどん質問が飛び交う。
けれど蒲田さんは冷静に
落ち着いてとみんなをあやすと、
こっち来て、とわたしに手招きをする。
「新しいマネージャーの、
勝瀬マリさん。
マネの仕事は初めてだから、
最初のうちは色々覚えてもらうよ。
みんな、声かけてあげてね」
「はじめまして。マリです。
分からない事ばっかりなんですが、
頑張りますので宜しくお願いします」
ぺこり、と頭を下げる。
すると、メンバーは次々と元気な声で
お願いしますと繰り返した。
「せっかくだし、マリさんも
一緒にケータリング食べません?」
「おっ、いいなそれ。
マネさんも食べて良い分っすよね」
リーダー格の2人だろうか。
1人は、少し掠れた声が印象的な子。
そして、さっき蒲田さんと
調子がいいと話していた関西弁の子。
「頂いてきなよ。僕は現場の人に
少し話があるから。
メンバーも歓迎してくれてる
みたいだし」
「え、良いんですか……?」