第2章 名前はキンプリ
「今日みんな調子良いね。
このままだと1時間空きが出来るよ」
「え、まじすか?!」
「俺ケータリング頂きたいです!」
「っしゃあ!寝れる〜!」
「はは、廉まじやばいじゃん」
蒲田さんの言葉に、
みんなテンションが上がった
ようだった。
そのまま、どんどん
撮影は続いていく。
何枚撮ったんだろうか。
何枚撮っても、この中で
使われるのは数枚だという。
アイドルって、
大変なんだな……
そんな気持ちが、
しみじみと心に浮かんできた。
「はーい終わりー!
調子良かったから1時間と
15分巻いたねー!凄い!」
「「ありがとうございました!!」」
カメラマンさんの言葉に、
メンバーは声を揃えてお礼を言った。
平均年齢は低いと聞いていたけど
ちゃんとお礼がしっかり言えて、
腰が低いグループ……なのか。
ふと、手に取っていた
自分用のメモに書き足した。
「お疲れ様っす蒲田さん!」
「おお〜廉、今日いい感じに
盛れてたね」
「俺はいつでも盛れてますからね!」
……関西弁。
その子に引き続き、
残りのメンバーもわたしと
蒲田さんの方へ近付いてくる。