第12章 お久しぶり ★
>>side:Kazunari
和「頼むから、みんなになんも言わないで」
智「えー…」
和「お願い、さと…」
撮影が結構巻いて終わって、
楽屋で話す時間がとれた。
俺は話したくはなかったけど…。
智「…じゃあ、俺には教えて?」
和「………」
智「ちゃんと教えてくれないと俺も変な想像しちゃうじゃん」
和「…ちょっと、食欲ないだけだよ…」
智「なんで…?」
和「なんで……わかんない…」
智「かずー…」
マネ「昨日…」
和「ちょっと…!待って、…もう、余計なこと言うな…」
マネ「………」
ほんと、うちのマネージャーは
俺の隠したいことさらっと言うんだから。
分かってるけど…優しさなのは。
でも、俺にもタイミングがあるだろ…
マネ「いま言わなかったら、言わないじゃないですか。」
和「……もう、ほんとに黙って…」
聞こえてんのかね?って思うくらい
俺の心の中読んでくる。
和「外出てて…」
マネ「………」
智「いや、いいよいて。かずはすぐ嘘つくから」
和「なにそれ…」
智「隠すんだもん」
和「…信用ねぇな」
智「ねぇよ」
和「………」
そうはっきり言うか。
まぁ…分かるけど。
和「言わないでよ?」
智「内容による」
和「は?もう…なんなの!」
智「あーもう分かったよ!言わないよ、なに!」
和「…大したことない。昨日、…39度くらい出て、ちょっと死にそうだっただけ」
智「9度!?それで撮影してたの…?」
和「昨日は大半リハだったから…」
智「リハなら最悪休めるじゃん…!」
和「休めないよ…」
智「今はないの?病院行った?」
和「…行った。薬飲んで、下げて…る、」
マネ「薬切れる頃に上がるのを、一昨日から繰り返してます…」
智「ぇえ…?風邪?」
和「…かなぁ…?」
智「食欲なくて薬飲んで大丈夫なの?」
和「まぁ…」
マネ「大丈夫じゃないから食べて欲しいんですけど…」
和「………」
智「朝とかよく気づかれなかったね?」
和「ちょっとだけだもん、ダイニングにいたの」
智「…これは怒るな、バレたら」
和「だから言わないでってお願いしてるんですけど」
智「………」
和「ほんとに…心配かけるだけなの…」
智「…かず、」
和「お願いします…」
智「なんでそこまで…」
和「大丈夫だから…」
智「……ちゃんと、見ててやって」
マネ「はい」
智はこれ以上何も言わなかった。