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死の外科医と四季姫

第3章 新しい日常


次の日目が覚めたのはお昼過ぎだった。ここ最近海軍の動きを気にしていたせいで、あまり眠れていなかったため、ぐっすり眠っていたようだ。

「あ、ロー……」

ベッドの持ち主であるローは部屋のソファで眠っていた。ノエルは申し訳ない気持ちでいっぱいになり、眠るローにごめんねと誤った。
部屋を出ようとした時

「気にすんな」

と返ってきて、驚きで飛び跳ねた。まさか起きているとは思わなかった。

「ろっ、ロー! 起きてたの⁉︎」

「今起きた…………飯食いに行くぞ」

のそのそと起き上がるその姿をノエルは見つめる。帽子を被っていないローを見るのは初めてだった。

(寝癖ついてる……可愛い)

そう考えて、ボッと頬が赤くなった。何を考えているのだろうか。

「こっちだ」

ローに案内されてお昼ご飯とも言える朝ごはんを食べる。食べたあとは船内を案内されていた。

「あれっ、ノエルじゃん」

「シャチ! ペンギン! ベポ!!」

途中ベポ達を見つけ、嬉しそうに駆け寄る。
そしてベポに抱きついた。飛びつくようなその抱擁を、ベポは難無く受け入れる。

「私ね、この船の仲間になる事になったの! だからこれからよろしくね!」

「まじか!! やっと女の子の船員が増えた!!」

涙を流し喜ぶシャチ。その後ろには、女性船員がわなわなと震えながら立っていた。シャチは気付いていない。

「シャーチー?」

「うおっ、イッカク⁉︎」

私は女に入ってないわけ⁉︎ と、イッカクと呼ばれた彼女は怒っている。シャチの胸ぐらが掴まれた時、イッカクはノエルに気が付いた。

「ん? あなた、新入り?」

ノエルはベポから離れ、イッカクに頭を下げる。

「あ、はい! ノエルって言います! よろしくお願いします、イッカクさん」

「可愛いー!!」

イッカクはシャチを放り捨て、ノエルに抱きつく。可愛い可愛いと頬ずりしながら、軽く飛び跳ねる。

「堅苦しいから敬語やめていーよ! イッカクって呼んで! ってか、ここの船員に敬語はいいよ!」

その言葉に甘え、敬語は外す事にした。
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