crazy for you.【進撃の巨人/ハンジ・ゾエ】
第6章 悪くない
「寿命が縮まったよ・・・・・・」
「ご迷惑でしたか?」
「今更?」
心配そうに視線を送るアウラに
ハンジは噴き出すと、不敵に笑った。
「いいよ。
君は強いからね。
人類のために十分役に立ってもらう」
その姿はどこか妖艶だ。
「ハンジさんがそう仰るなら頑張ります。」
「このっ、言うようになったな!」
ハンジはアウラから身体を離すと
頭をわしゃわしゃと撫でた。
「もうっハンジさんってば・・・・・・」
アウラが動きを制止しようとすると
急に頭を撫でる手が止まる。
どうしたんだろう。
アウラが不思議そうにハンジへと視線を向けると
そこにはいつになく真剣なハンジが居た。
「私は部下を無駄死にさせるつもりは無い。
勿論、君も今いる私の仲間もだ。」
真っ直ぐに見つめられ、
自然と背筋が伸びる。
ハンジはゆっくりと
たがハッキリと口を開いた。
「君の存在が我々の邪魔になると感じたら
私は君をすぐ開拓地に送る。」
アウラはあまりの迫力に
生唾を飲み込む。
ここから先は訓練とは違う。
一人の行動が全体の生き死にに関わってくる。
ハンジもエルヴィンもリヴァイも
そんな中で最善の方法を選びとり戦っているのだ。
「まっ、」
ハンジは暫くアウラを見つめると
すぐにいつもの笑顔に戻った。
「訓練で色々覚えてくれればいいから。
明日から忙しくなるよ」
「頑張ります!」
意気込むアウラにハンジは
目を細めると共に兵舎へと戻って行った。