crazy for you.【進撃の巨人/ハンジ・ゾエ】
第5章 身の振り方
「きゃ・・・っ」
ハンジがアウラを押し倒すような格好になる。
「ご、ごめん!」
ハンジは慌てて退こうとするが
手に柔らかいものが触れている。
カーテンの布越しにアウラの胸を掴んでいたのだ。
「まだ下着つけてなかったの!?」
「いいから手放してください!」
どこかズレているハンジの反応に
アウラは顔を真っ赤に染めて反発する。
ハンジは身体を退かすと
アウラの胸に触れていた手で空気を掴む。
「アウラって意外と大きいんだね。
出会った時は子供扱いして悪かったよ」
「・・・・・・やめてもらえますか」
アウラはハンジに背を向けると
身なりを整えた。
「・・・・・・君のことを心配してる。
調査兵団は必ずしも生きて帰れるわけじゃない。」
ハンジは聞こえるか聞こえないかくらいの声量で呟く。
そんなハンジにアウラは向かい合った。
「私の帰りを待ってくれる場所はないです。」
その言葉にハンジは瞳を伏せる。
「でも!」
アウラはハンジの両手を掴んだ。
「帰りたい場所が今、できました。」
アウラは立ち上がると
手際よく立体機動装置を装着していく。
「簡単には死なないってことを
証明してみせます。」
その表情はすごく晴れやかだった。