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【進撃の巨人】〜こぼれ話集〜 短編

第2章 腹筋




「お!なんだなんだ、ミカサに教わんのかアルミン」

「うん、参考にしたいんだ」

ジャンも興味ありげに寄ってきて、アルミンと一緒になって聞くようだ。
そんな二人を見てから、ミカサは普段の自分のルーティーンを思い出すようにして話しだした。

「私はまず...薪割りで割った木を10本くらい片手で担いで腕を鍛える」

「薪割り?」

普通石炭が主なエネルギー源となっているが、ウォールシーナのような裕福な街は除いて、石炭はそれなりに高級品で簡単には手が出せない。燃料としてのみの使用では費用がかかりすぎるので、民間では薪を使うことが多い。
薪は多様性があるし、何なら薪から石炭を作ることもできる。勿論販売されているものより品質は落ちるが、使えないことはない。

「そう。兵団でもよく使う薪は、いいトレーニング道具になる。大きさも手頃だし、重さも重ねて持てば丁度いい具合になる」

「へえ〜そうなんだ!それならわざわざ筋トレの時間を取らなくても、別の作業と並行してできるね。僕もやってみよう!」



「い、いや待て...薪運びは俺6本が限界だぞ...?」


「え...?」


エレンの若干引いたような声にアルミンは耳を疑った。エレンはアルミンより身長も高く、体格もいい。そんな彼でさえ6本が限界だというのか...?

「6本では筋肉に効かない気がするから、私は10本以上は持つようにしている。でも、個人差があるから無理しなくてもいいと思う」

「そ、そっか...ありがとう」


「あと下腹部を鍛えるときは、腹筋の上に椅子を置いている」


「「「い、椅子!?」」」

驚愕した3人の声が重なった。


「筋トレ用のダンベルや重しでは軽いから、木製の大きな椅子を寝かせて腹筋の上に乗せている。重ければ重いほど負荷がかかってよく効くから」


椅子を乗せる...?しかも木製の大きな椅子を...?

アルミンの頭は順調に混乱していった。

ミカサの言う筋トレ用のダンベルは、アルミンにとっては十分負荷のかかる道具だった。3kg、5kg、8kgと三段階に分かれた重さのものがあり、最近ようやく5kgのダンベルで筋トレできるようになってきたところだ。そのレベルをゆうゆうと飛び越えて、もはや椅子を乗せるとは...


アルミンはミカサの話の続きに、なんだか嫌な予感を感じ始めた。



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