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【進撃の巨人】〜こぼれ話集〜 短編

第2章 腹筋



前回のお話『あの頃』の時よりも前のお話です。
また書かれている設定等は、公式ガイドブックなどから引用しているので私の創作ではなく本当です。

___


調査兵団では周知の通り、壁外調査というものが行われている。巨人の領域への探索とシガンシナ区への行路確保を主な目的としていおり、この壁外調査こそが調査兵団が存在する意味でもある。
勿論多くの危険と犠牲を伴うが、人類が巨人に抗う術を探る最も効果的で直接的な調査と言えるだろう。

しかし、当然調査兵団も毎日壁外調査をしているわけではない。壁外調査に出ていない時は、戦術の研究や巨人を倒す技を磨くなど、自分たちの力を高めるための修練に励んでいるのだ。
立体起動装置での動きは筋肉を要するハードなもの。それを使いこなし巨人を討伐するためには、最低限の筋力が必要となる。

そんな調査兵の104期生男子の間では、近頃「腹筋を割る」という共通目標が立ち上がっていた___



「あと30回だ!頑張れエレンッ!」

「っく!121...はぁ...122っ!!」

「おいジャン!頭ついてねぇぞ、もっと下げろ!」

「分かって...るっつの!!っくそ、はぁ...」


揃って絶賛筋トレ中である。兵舎内にある空き部屋を利用して、こうして汗を流しながら、筋肉づくりに励んでいるのだ。
エレンはプルプルしながら必死に上体を起こし、それをアルミンが横で数えながら応援している。

コニーは腕立て伏せをするジャンの姿勢を直しながら、喝を入れていた。激しい体力の浪費に半分苛立ちながらも、ジャンは必死に体を上げ筋肉を酷使している。


「149...150!終わりだエレン!」

「っだぁー!!あぁ...はぁ、っ、はぁ...水...」

150回の上体起こしを終えたエレンは、ダラダラと汗をかきながら震える手で水を喉に流し込んだ。

そして丁度ジャンもノルマを達成する。

「あぁっ!終わった...はぁ...、っはぁ...」

げっそりした顔で床にそのまま横たわり、荒々しく呼吸を繰り返す。

「二人ともお疲れ様。はい、タオル」

アルミンがエレンとジャンにタオルを渡すと、二人揃って無心でガシガシと額の汗を拭いた。

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