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溺愛執事の恋愛事情

第6章 完璧執事の、弱点


「おはよう、皇ちゃん。」
「姫」
「パーティー来てくださるのね、ありがとう」



ハイセってば。
仕事が早いじゃない。
いつの間に連絡いれたんだろう。
確かさっきまで一緒に車に乗っていたはず。
どうやってこんなに早く姫に連絡いれられたのか、謎でしかたないわ。



「昨日すぐに和泉様から、皇ちゃんのお父様の代わりに皇ちゃんが出席すると、連絡を受けたみたいです」
「は?昨日?」
「ええ」


昨日……。
パーティーの話をしたのは確か、今朝だったはずだけど。


「皇ちゃん?」


うーん……
唸りながら机に額を付ければ。
姫が心配そうに覗きこんでくる。

「具合、悪いです?」
「……ウチの執事が完璧すぎて、頭が痛い」
「大変!!医務室……」
「ぃや、いいからそれ」
「?」

駄目だ。
大袈裟にされるとどーもハイセを思い出す。

「ほっといて、お願い……」
「?ええ……」


完璧なのはわかってる。
なんでもそつなくこなし、周りからは一目おかれていることも。
……性格ちょっと、問題あるけど。


「でも和泉様は、皇ちゃんが弱点なんだとあたしも思います」
「弱点?」
「ええ、薔様がいつも言ってるんです。いつも完璧な和泉様の心臓は、きっと皇ちゃんなんだって」
「先生が?」
「ほら、薔様も和泉様も、同じ大学出身だから。仲良しなんですよ」
「嘘っ!?」
「薔様は、和泉様が苦手みたいですけど。良く和泉様の話されるからたぶん、仲良しなんです」
「……初耳ね、その情報」



鷹司(たかつかさ)先生と、ハイセ。
姫への執着具合からして(姫は全然わかってないみたいだけど)。
きっと同じ部類なのね、あのふたり。
いくらキレイな顔していても、性格が残念なんて勿体なすぎる。
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