第5章 溺愛執事の逆襲
あー、ん、て。
少しだけ大きく口を開けて、ついでに目を閉じて。
おっきくなってそびえ立つそれを、口に含んだ。
苦い、し。
変な味。
少しだけ口の中に広がる嫌な味とも言えないそれに一瞬だけ顔を歪めるけど。
少しだけ上目遣いに向けた視線の先。
ハイセがすごく官能的で。
目を伏せて吐き出す吐息がすごく、色っぽく、て。
不覚にもドキン、て、心臓が跳ねた。
どーしよう。
ハイセの気持ちが、すごくよくわかったかも。
あたしまで変態になっちゃったかな。
もっと、見たい。
ハイセのあんな顔、見てたい。
口に含んだそれを、舌を使って丁寧に舐めていく。
こんなのやり方なんて知らないし、どこをどーすればハイセ気持ち良くなる?
どこが気持ちいい?
ねぇハイセ。
ちゃんと、気持ちいい?
「……っだ、か、っら皇、も、いいから」
ガチャガチャとしきりに激しくなる金属音。
あわせて震えるハイセの体に。
ハイセの限界が近いのかも、なんて。
そう思ったら絶対に離せなくなった。
はっきり言って顎痛いし。
疲れた。
けど。
ハイセがあたしで、イくなら。
イかせたい。
そう、思ったの。
だけど。
「もう、いいから、皇」
ぇ。
頭上から声が聞こえた瞬間、頭には確かにハイセの掌の感触。
と。
驚く暇もなく、一気にあたしはハイセから引き剥がされた。
「……っく、っ」
「ハイセっ!?」
あれ、なんで。
「皇、ごめん」
低く、呻くように俯きながら話すハイセを視線におさめる前に。
うつぶせに組しかれた体。
と、同時に。
「や……っ!?ぅそ……っ」
一気に侵入してきたのは、先ほどまで口の中でビクンビクンと脈打っていた、太くて硬いもの。
「待ってハイセ……っ」
「待てない」
「ひぁ……っ、や、やぁ…っん、ぁん」
いつもよりも激しい動きに体が揺さぶられる。
後ろから聞こえるのは荒い息遣いで。
ハイセの余裕のなさが伝わってきた。
「や、ハイセ……っだめ、だめ、やぁっ」