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溺愛執事の恋愛事情

第3章 お嬢様、バイトする


「かしこまりました」




まぁいいか。
今日のところは、それを正解にしてやるよ。


『ハイセが、いい。』



正直。
一番嬉しい答えだったから。
















「ゆえにお嬢様」
「何よ」




さっきのしおらしさ、どこ行った?
目の前にいるのは、無事着替えもすんだいつもの勝ち気なお嬢様だ。
未だ残る涙のあとと、かすかに残る鼻にかかる涙声。
おかげで凄みも少しだけ半減してる。
まぁそこまで復活したなら、大丈夫だろう?




「両手を貸していただけますか?」
「?何でよ?」
「あとでわかります」
「?」


疑問点をそのままに、放置しておくのはお嬢様の悪い癖ですね。
「ハイ」なんて、そう易々と両手差し出してはいけません。


「ありがとうございます」

「?」

疑問顔のまま差し出された両手に、カチャン、と、所謂手錠、なるものを嵌め込めば。

「はぁ?」

ガチャガチャとそれをあわただしく引っ張る始末。
取れるわけないでしょう、そんなんで。

「なんでっ?」


「お嬢様」

「……な、何よ」


「ご自分が今日、何をなされたのかおわかりですか?」
「お、わかりよ…っ、何よ、さっきまであんなに優しかったくせに!!」
「それは良かったです。ではお嬢様、そこまでしてお金が欲しかった理由はなんです?」
「だから、言ったじゃない……っ!!ハイセが子供扱い、するから…っ」


「ペナルティ、1、です」

「はぁ?」



笑顔で一歩、二歩と近づけば。
それに合わせて後退する彼女は、ベッドへとたどり着いたところで自らその足を滑らせ、ベッドへと腰かけた。
そのまま肩をトン、と押せば。
簡単にベッドへと縫い止めることができる。
ついでに、先ほどの手錠は一度外したあと、ベッドの頭元から絡ませてまた両手へと嵌め込んだ。
けっこうな遊びがあった手錠も、柵に嵌め込まれた形となり遊びが少なくなる。
逸れに伴い、両手の動きも制限されるのだ。


「ちょっとハイセっ」


「なんです?」


「はずしなさいよ!これ!」


「僕の質問に正直に答えて頂ければ、すぐにでも」
「はぁ?何なのよさっきから!!」










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