第3章 お嬢様、バイトする
ガチャガチャと、彼女が動く度に耳障りな金属音。
もっとも。
今の玩具はどれだけ暴れても痛みがないよう、本物と違って柔らかい素材で出来ているのだ。
「なぜそんなにお金が必要だったのですか?」
「理由なんかないってば!!離してよいい加減っ」
「…………」
学習しませんね、ほんとにこの子は。
「大声出すわよっ!!この、犯罪者!!」
わめき散らしながら足をバタつかせる彼女へと、跨がって。
「こちらは一番奥ですし、この時間なら皆さん買い物か厨房でしょう。なによりもここは、防音がしっかりされていますゆえ。お嬢様がよくおわかりでしょう?ご自分の部屋なのですから」
「………っ」
顔で笑って、視線で威圧。
この方法、この方にはよく効くのですよ。
意外にも。
「だっ、だったら、ハイセも仕事戻ればいいじゃないっ」
「戻りますよ。もちろん」
「はぁ?ちょ、っと何して……っ」
バタバタうるさい両足を力任せに胸の方へと押しやり、所謂M字開脚の形を取らせれば。
真っ赤に全身を染め上げ、瞳には涙のオプションまで付いてきた。
「はじめから、そうおとなしくしてればよろしいのですよ」
「する!もう、暴れない、から……っ、この格好やだ。ハイセ……っ」
ゾクリ
と。
背筋からこみ上げる感覚に、思わず生唾が喉を通り抜けた。
「は…っ」
知らずに上がる、口角。
「残念、手遅れです」
押さえつけたままに、下着を脱ぎとれば。
電気などなくても十分明るい部屋の中、露になるのはトロリと蜜を溢す、大切な場所。
「ハイセ…っ」
「………」
まだ触ってもいないはずのその場所は、もの欲しそうにヒクヒクとよだれをこぼしているかのようで。
こんなのさすがに、我慢などできるはずがないだろう?
「ひぁっ、や!?何……っ」
甘い匂いに吸い込まれるように、迷わずその場所へと吸い付いた。