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溺愛執事の恋愛事情

第3章 お嬢様、バイトする


「…………」





とかとか。
豪語しましたよ、確かに。




ハイセなら絶対全力で邪魔しに来ると思ったわよ。
思ったから、わざわざ放課後ハイセの迎えがいる正面玄関口じゃなくて、裏口から出たのよ。
望月さんと姫に、いや正確には望月さんに、紹介してもらったお店は小さなコーヒーショップで。
美味しいコーヒーと美味しいケーキを目当てにそりゃたくさんの人が来てくれていた。
小さいながらもお客が絶えないこのお店。
注文とって、厨房に伝え、それを持っていく。
すごく単純に思えたこの仕事も、やればそれはそれはかなり難しくて。
ただがむしゃらに体を動かすこと、1時間。
気付けば何故か、ハイセがコーヒーを淹れていたのだ。




「……なんでっ?」



「僕の情報網、甘く見ないで下さい」



「……」






結局初日の今日、ハイセと一緒にバイトする事3時間。
夕日も完全に沈み始めた頃。
やっと慌ただしい1日が終了した。



「和泉くんいてくれると助かるよ。また明日も来てくれる?」
「申し訳ありません。そのご提案、お断りさせていただきます」

「はぁ?なんでっ?」

「今日1日で充分でしょう。これ以上ご迷惑おかけしてどーするんですか」


「………」


わかってるわよ。
ハイセがいなきゃ、今頃大惨事になってたことくらい。



「お給料は、結構です。社会勉強させて頂き、誠に感謝致します」
「………はぁ」



淡々と事を進めるハイセに、店長さんも呆然。



そう、こーゆーやつなのよ。
ハイセは。



いつもいつも、あたしの邪魔ばっかりするんだ。
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