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溺愛執事の恋愛事情

第3章 お嬢様、バイトする


「………お嬢様」
「ええ」
「バイト、の意味はご存知で?」
「知ってるわ」



労働に対する賃金が発生する、契約のことでしょ。
そのくらい知ってる。


「ハイセがあたしに仕えてるのも、お金貰ってるんでしょ」
「……」


破格の高給、って、前言ってたもの。



「あたしも同じように自分でお金稼いできたら、あたしを同等に見てくれる?」
「は?」
「子供扱い、しないでくれる?」
「………皇、なんか論点めちゃくちゃズレてんぞ?」
「どうなの?ハイセ」
「………」
「…………」


沈黙。
の、まま。
車はでっかい駐車場へと、停車した。



「皇」
「何よ」
「お前にバイトなんか無理だ。止めとけよ」
「『お前』、じゃないわ」
「………お嬢様」
「………」
「そんなことがバレたら、僕が旦那さまに叱られますから」
「ハイセがバラさなければバレないわ」
「お嬢様」
「止めない。バイトする」
「何意地になってんだよ、皇」
「なってない!」
「皇」
「うるさいっ、ハイセなんか大嫌いっっ」



バタン、と勢い良く助手席を閉めると。
登校途中の生徒たちが驚いて振り返る、けど。
そんなの、知らない。


「迎えも来なくて結構よ!!」



知らない。

ハイセなんか、大嫌いっ。
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