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溺愛執事の恋愛事情

第2章 Lady GO or Stay?






「なんなの、この、完璧なまでの計画性」
「何事も計画は大事ですから」
「それ、なんか嫌」



この蜜事が全て計画的な犯行なんだとしたら。
それはそれですごく嫌悪感しかない。





いつものごとく、そのまま意識を飛ばしたあたしは、いつもなら朝ベッドで目覚めるまでたぶん起きることはない。
朝には、ベトベトだった体も濡れたシーツでさえも跡形もなく綺麗になってるから、たぶん全部ハイセのおかげなんだと思う。
思う、んだけど。
何故か今日目覚めたのはベッドの上なんかじゃなくて。
じゃ、なくて。



「なんで、お風呂?」
「沸いてたので」
「はぁ?」
「せっかくなので、ご一緒させて頂きました。眠っていたご様子でしたので」
「だったら入る必要ないじゃんっ」
「いつもならそのまま眠っているのに、珍しくお目覚めでしたね」
「は?」


まさか。
まさかまさか。

「いつも、お風呂で?」
「ええ、洗って差し上げてますよ」


「…………」


ああほんと。
やだやだやだ。
意識のない人間お風呂入れる?
普通。



「……………っ」



ぶつぶつとひとりごちながらハイセに晒した背中。
不意にハイセの腕が絡み付いた。
ついでに。
おしりにあたるのは、硬くて熱いもの。



咄嗟に浴槽の端まで逃げようと、力を入れた瞬間に。


「今、逃げようとしましたか?」


さらにきつく抱き上げられ、ハイセの膝の上に乗せられた。

「……っ」

「大丈夫、入れたりしませんよ」

「ぇ」

「ご飯がまだでしょう?さすがにご飯も食べさせずにいたら旦那さまに怒られてしまいます」


膝の上に乗せられた瞬間に感じたその塊に、喉を鳴らすあたしに向けられたのはまるで天使のような微笑み。
ハイセが、あたしに優しいなんて。

もしかしてあたし、勉強頑張ったし。
ハイセも喜んでくれてるとか?


「さ、そろそろ上がりますよ?」
「はーい」



ハイセが優しいと、いくらでも素直になれちゃうよ、あたし。





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