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溺愛執事の恋愛事情

第2章 Lady GO or Stay?


「ハイセっ」


部屋へと入るなり、満面の笑みでこちらを振り替えるのは愛しくもかわいいお嬢様。


「出来た」


得意気にノートを差し出して。
やり遂げた満足感に緩む表情をこちらへと向けた。



「ん、全問、正解です」
「でしょ?」
「頑張りましたね」
「うん」


褒めて、と言わんばかりに尻尾をふる彼女に、知らずに漏れた笑み。
何それ。
かわいすぎでしょ。
甘え方、よくわかってるよなぁ。
さすが、両親といわず、大人から溺愛されて、愛されて育っただけはある。

だけど。



「きゃぁっ!?」



撫でて、と差し出してくる彼女の頭頂部を思い切り弾けば。
頭を押さえて抗議の瞳をこちらへと向ける彼女。


だってこれじゃ。
キスが出来ないだろう?


相変わらず自分の思った通りに反応を示す彼女に、緩む口元を抑えられない。
頭よりも、向けられるなら可愛らしいその表情のが嬉しいに決まってる。
緩む口元のままに、抗議の瞳を向ける彼女の顎をつかんで。
その唇を覆い被さるように真上から、奪った。


「……ハイセっ?何……っ」
「良くできました、のご褒美ですよ」
「はぁ?」


体全体で抗議する彼女の綺麗な長い髪を一纏めに、横に流せば。
現れたのはヴァンパイアじゃなくても思わずかぶりつきたくなるほどの、白く透き通るようなか細い首筋。

「………ん……っ」


耳元から舌を首筋まで滑らせて、そのまま首筋へと吸い付いた。
何度かそれを繰り返せば、首筋にはけっこうな数の紅い花が散っていて。
真っ白い肌によく目立つ。

引き気味の彼女の腰を強引に引き寄せ、再度また深く深く口付けをしてやれば。
案の定。
とろん、と潤んだ瞳をこちらへと彼女は向けた。


「俺が、欲しい――――---?」










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