第12章 溺愛執事の恋愛事情
「は……っ、ぁあッッ!!そ、れ……っ、も、やぁ」
ピチャピチャと響く、淫らな音。
勝手に揺れ動く腰。
始めこそ強引に開かされていた両足は、今ではハイセの腕なしに、開いている。
両手を後ろの床へと伸ばし、喉だけを反らして。
厭らしい醜態を惜しげもなく、晒してる。
「や……、やぁッッ!!し、舌っ、なかぁ!!」
ぬるぬると擦り付けていた舌先は、固く尖らせたままになかへぬるりと挿入ってくる。
体を支えていた腕からは力が抜け、背中はヒヤリと冷たい床の上。
強すぎる刺激に耐えられず、腰を引いた。
「━━━━っ!!ぅ、そ……っ、やぁッッ!!」
ぐい、とさっきよりも引き寄せられ。
唇全体で膣口を覆う口は、舌先をさらに奥へと、捩じ込む。
ついでに。
剥き出しにされたままの膨れ上がるその突起には、円を描くように宛がわれた指先が動き出した。
「ひぁ━━━……ッッ!!や、めっ、ぃ……っぁあ」
駄目。
限界。
ガクガク震える。
足が、痺れる。
力が入らない。
「ぁ……っ、ぁんッッ、や、っぁあんん━━━ッッ」
━━━━━━くる!!
重いの。
すごい波。
駆け上がってくるよく知った感覚に身を預けるために、体を反らし喉を晒した。
瞬間。
「ぇ………」
部屋から聞こえた携帯の着信音に、ハイセが顔を上げた。
「ああ、ごめん。先出てる」
「え」
「ゆっくり入ってきて」
濡れた唇を拭いながら、にこりと笑い。
ぽかんと横になるあたしへとキスをひとつ。
ハイセはほんとにお湯から上がり、浴室を出ていったんだ。
「………嘘」
なに、この、置いてかれた……感。
「…………っ」
力の入らない体を精一杯動かして、湯船へドボン。
頭まで湯船の中へと体を沈めた。