• テキストサイズ

溺愛執事の恋愛事情

第2章 Lady GO or Stay?


今、教育学部、って、言った?


だってハイセうちに来たの、確か18歳だって。
高校卒業して、すぐよね?



「ああ、お嬢様が学校に行かれてる間に、大学通ってたんですよ」
「……あたし何も言ってないけど」
「何年お嬢様を見てきたとお思いですか?お嬢様の考えくらいわかります」


なんだろ。
たぶんこれ、好きな人に言われたらけっこうぐっとくるセリフじゃない?
以心伝心、的な。
なのになんでかな。
寒気しかしない。
ハイセが言うとホラーにしか聞こえないのはなんで?


「………でもいつもハイセ、家にいたわよね?」
「お嬢様が帰宅するまでには帰って来てましたから」
「いいの、せっかくの大学生活それで」
「お嬢様と宿題遊びしてる方が僕には幸せでしたから」


うっとりする場面ではないはずだけど。
しかも遊びなあたり、大いに間違ってるわ。


「なんで教員免許取ったの?教師になりたかったの?」


なんとなく。
ハイセの将来を奪った気がして。
後ろに立つハイセを下から遠慮がちにのぞきこむけど。
次の瞬間。
あたしのそんな気遣いなんて跡形もなく砕け散るのだ。

「いいえ?」
「え」
「お嬢様と一緒にスクールライフ送ろうと思っただけですから」
「はぁ?」

いけしゃあしゃあと言ってのけるその口、針と糸で縫い付けてやろうかしら。
あんたが合格したせいで落とされた、未来ある誰かに今すぐ謝んなさいよ。

「ああ、そうそう。美容師の資格も持ってます」
「はぁ?」
「お嬢様の髪は、誰にも触らせませんから」



「………」



ああ、もう。
勝手にして。
その技量の、そして頭脳の無駄遣い。


絶対にいつかバチ当たるわよ。
/ 197ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp