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溺愛執事の恋愛事情

第2章 Lady GO or Stay?


「『GO』、よ。10位以内に入ってやるわ」


「さすが、お嬢様です」




頭を抱えて盛大なため息を吐き出す彼女は、それでもやはり、美しい。
これだから執事は辞められないのだ。
こんなにいじめ甲斐のあるお嬢様は、世界中探してもきっと彼女くらいなものだろう。


「ハイセ」
「はい」
「高校生の勉強なんて、わかるの?」



「…………」



答える前に、そこは確認するべきでは?
とかとか。
一瞬よぎった思考はすぐに捨て去ろう。
そんなところが彼女の魅力なのだから。


「わかりますよ」
「けっこう難しいよ?」
「ええ」
「どーすんの、10位どころか圏外かもよ?」


それ、自分で頭弱いの認めてる発言なの、理解してる?

「俺が、教えるんだから大丈夫ですよ」
「すごい自信ね。いくら頭良くても教えるのは難しくてよ?」
「ああ、それなら問題ありません。教員免許持ってますから」

「えっ??」


弾かれたように振り返ったついでに。
椅子からバランスを崩しそうになる体勢を後ろから支えれば。
触れた腰のあたりがぴくん、と小さく反応する。
可愛らしい反応にほんのりと頬を染めた彼女には気付かないふりを、して。

にこりとそのまま、瞳を細めて微笑んだ。


「一応教育学部、卒業です」


「ええ??」




ああほんと。
こうも思った通り通りに反応してくる小さな少女に。
うっとりと心奪われない方が、無理だろう?


絶対に、無理に決まってる。

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