第9章 ふたりの境界線
「ハイセ……っ」
嘘……っ。
舌が、なか、に……っ!?
「ハイセ……っ、やだ……っ」
指先が突起を押し潰し、コリコリと弄ぶ。
舌がなかへと入って、じゅるじゅると音を立てて溢れる蜜を吸い上げる。
執拗に。
丁寧に。
おかしくなるほどに。
「……や、っぁあん……っ」
下着を持つ指先の力まで入らなくなると、指先から離れた下着をそのままに。
今度は下着の上から同じように舌を這わせ、吸い上げる。
「………イくまで、このままですよお嬢様」
先ほど同様唇と歯で下着をずらし、あたしを見上げるハイセ。
『ちゃんと持ってろ』
そう、命令されてるような錯覚。
違う。
錯覚なんかじゃない。
命令、してるんだ。
「ハイセの変態……っ」
「この状況なら、最高の誉め言葉ですよ、お嬢様」
「………っ」
右手で下着を横にずらせば。
また、再開されるのは生き物のように動くあの舌の動き。
吸い上げて、突起へとねっとりと液を塗りたくる。
蜜口も突起も、噛み付くように唇で覆い、キスするみたいに舌を這わす。
「ハイセ……っ、はい、せぇ……ッッ」
知らずに声は艶を増し、甘く啼く。
ハイセが舌を動かす度に。
吸い付く度に。
震えが止まらない。
甘い痺れが全身を支配する。
「どうぞ、好きなだけイって下さい」
指が二本、ゆっくりとなかへと挿入り、気持ちいいところを擦る。
吸い付く力も。
指先を出し入れする強さも。
追い込むように次第に加速されていき。
「━━━━ぃ、………ッッ!!」
思惑どうりに。
指と舌だけで簡単に絶頂へと登り詰めた。